単純ヘルペス脳炎(HSV脳炎)
標準投与期間
- 腎機能正常患者:アシクロビル10 mg/kg静脈内投与を8時間毎、14-21日間12
- 新生児では高用量(20 mg/kg 8時間毎、21日間)により死亡率が5%まで低下し、約40%が正常発達を示しました1
投与期間決定の重要因子
治療期間は以下の予後因子に基づいて調整すべきです:
- 年齢:30歳以上で予後不良1
- 意識レベル:Glasgow coma score <6で予後不良1
- 治療開始時期:症状出現から4日以内の治療開始で死亡率8%、4日以上で28%1
- 入院からの遅延:入院後2日以上の治療遅延は独立した予後不良因子1
治療終了時の評価
治療終了時に髄液PCRを再検査すべきです13。陰性結果は良好な転帰と関連し、陽性の場合は治療延長を考慮します1。再発率は成人で最大5%、新生児で10日間治療後は約8%報告されていますが、高用量21日間治療では再発の報告がありません1
注意点
- 10 mg/kg 8時間毎の標準用量で大多数の症例に十分ですが、臨床経過と髄液所見に基づいて個別化が必要です3
- 持続的なリンパ球性髄液細胞増多を認める場合は、長期のウイルス抑制療法が必要となることがあります3
性器ヘルペス
初発感染
再発性感染
HSV-2髄膜炎
初発例
アシクロビル10 mg/kg静脈内投与を8時間毎、解熱・頭痛消失まで継続後、バラシクロビル1g 1日3回に切り替えて計14日間6
再発性髄膜炎
重要な臨床的注意点
腎機能障害患者
- クレアチニンクリアランスに基づいた用量調整が必須です22
- 無尿患者では半減期が19.5時間に延長(正常2.5時間)2
- 腎尿細管でのアシクロビル結晶析出による急性腎不全のリスクがあるため、十分な水分補給が必須です2
神経毒性
約1%の患者で脳症様変化(傾眠、錯乱、振戦、痙攣、昏睡)が出現します2。特に高齢者、腎機能障害、神経学的基礎疾患のある患者で注意が必要です27