診断アルゴリズム
1. 髄液検査(必須)
- 白血球数≥5/mm³の確認が脳炎診断の重要な基準です1
- 日本脳炎では典型的にリンパ球優位の細胞増多を認めますが、免疫不全患者や感染早期では細胞増多を欠くことがあります1
- 蛋白上昇を伴うことが多い3
- 髄液のIgM抗体検査:日本脳炎ウイルス特異的IgM抗体の検出が診断確定に重要4
2. 血清学的検査(診断確定に必須)
3. 神経画像検査
- MRIが第一選択(CTより優れています)1
- 両側視床病変が日本脳炎に特異的:視床、尾状核頭部、被殻の病変が特徴的76
- 前頭葉・島皮質病変は非典型的ですが、免疫不全患者では認めることがあります3
- 単純ヘルペス脳炎との鑑別:側頭葉病変は単純ヘルペス脳炎を示唆7
4. 脳波検査
5. 分子診断(補助的)
臨床的特徴(診断の手がかり)
疫学的特徴
臨床症状
- 高熱、意識障害、錐体外路症状が三徴5
- 痙攣は単純ヘルペス脳炎(86%)より少ない(40%)7
- 異常行動は単純ヘルペス脳炎で多い7
- 運動障害・不随意運動は日本脳炎に特徴的(76% vs 0%)7
- 局所反射消失が日本脳炎で多い(42% vs 10%)7
重要な注意点
診断の落とし穴
- 免疫不全患者では髄液細胞増多を欠くことがあり、診断が遅れる可能性があります13
- tNGSは検出パネルに含まれない病原体を見逃すため、血清学的検査が依然として不可欠です4
- 非流行地域でも流行地域に近接する地域では考慮が必要です48
- 発症後9日目の髄液検査で細胞増多を欠く症例も報告されています3
予後
診断確定には適切な時期の検体採取と特異的血清学的検査が不可欠であり、mNGSは補助的診断ツールとして有用ですが、血清学的検査を省略してはいけません。64