希釈と投与方法
ボーラス投与の場合
- グルコン酸カルシウムを10-50 mg/mLの濃度に希釈してから投与します11
- 投与速度は成人で200 mg/分を超えないように、小児では100 mg/分を超えないようにゆっくり投与します11
- 投与中は心電図モニタリングが必須です11
持続静注の場合
- 5.8-10 mg/mLの濃度に希釈して投与します11
- 急性低カルシウム血症の治療では、10アンプル(900 mg元素カルシウム)を1リットルの5%ブドウ糖液または生理食塩水に混合し、100 mL/時で開始します22
原液投与が危険な理由
1. 組織壊死のリスク
血管外漏出が発生した場合、原液では重度の皮膚・軟部組織損傷を引き起こします11。希釈することでこのリスクを大幅に軽減できます。
2. 心血管系への影響
急速な原液投与は以下を引き起こす可能性があります1:
- 血管拡張と血圧低下
- 徐脈
- 心不整脈
- 失神
- 心停止
3. 局所カルシウム濃度の急上昇
希釈せずに投与すると、局所的なカルシウム濃度が急激に上昇し、**石灰沈着症(calcinosis cutis)**を引き起こす可能性があります1
投与経路の選択
- 中心静脈カテーテルが望ましいですが、利用できない場合は確実に確保された末梢静脈ラインから希釈したグルコン酸カルシウムを投与します33
- 塩化カルシウムと比較して、グルコン酸カルシウムは血管外漏出時の組織壊死リスクが低いため、末梢投与により適しています224
重要な注意点
配合禁忌
- セフトリアキソン(特に新生児では絶対禁忌)
- 重炭酸塩含有液
- リン酸塩含有液
- ミノサイクリン
モニタリング
原液での投与は血管損傷、組織壊死、重篤な心血管系合併症のリスクが高いため、必ず適切に希釈してから投与してください。