耐性緑膿菌の治療法
カルバペネム耐性緑膿菌(CRPA)や難治性緑膿菌(DTR-PA)の治療には、新しいβ-ラクタム系薬剤であるセフトロザン/タゾバクタムやセフタジジム/アビバクタムが現在の第一選択薬です1。
耐性緑膿菌に対する治療選択肢
第一選択薬
- セフトロザン/タゾバクタムまたはセフタジジム/アビバクタムが、前臨床および臨床データに基づいて、DTR-PA(難治性緑膿菌)による侵襲性感染症の標的治療に最も推奨される選択肢です1
- イミペネム/シラスタチン-レレバクタムとセフィデロコールも潜在的な代替薬として考慮できます1
- コリスチンベースの治療も選択肢の一つです1
経口抗菌薬の選択肢
- シプロフロキサシンは、経口投与可能な抗緑膿菌薬として最適です1
- シプロフロキサシンは高用量(12時間ごとに750 mg)が推奨されます1
- しかし、一部の欧州諸国では緑膿菌のシプロフロキサシン耐性率が増加していることに注意が必要です1
- レボフロキサシンは最近P. aeruginosaに対する活性が承認されましたが(24時間ごとに750 mg)、臨床経験は限られています1
- シプロフロキサシン耐性の場合、デラフロキサシンなどの新しいフルオロキノロンが代替となる可能性があります2
併用療法の考慮
- DTR-PAによる侵襲性感染症の場合、併用療法は通常の選択肢ではありませんが、症例ごとに検討することができます1
- 特に感染症専門医との相談の上で検討されるべきです1
- ホスホマイシンを併用薬として含む併用レジメンが考慮できます1
- 重症患者(ICU入院)では、抗菌薬の静脈内投与が不可欠です1
投与経路と治療期間
- 経口投与は患者が経口摂取可能な場合に推奨されます1
- 経口摂取が不可能な場合は静脈内投与を行い、臨床的に安定したら(入院後3-5日)経口投与に切り替えます1
- COPD患者における抗菌薬治療期間は平均7〜10日維持すべきです1
- レボフロキサシンやモキシフロキサシンの5日間コースは、β-ラクタム系の10日間治療と同様の効果を示しています1
治療失敗時の対応
- 経験的抗菌薬治療に反応しない患者は10-20%存在します1
- 治療失敗の原因として、経験的レジメンでカバーされていない微生物(P. aeruginosa、MRSA、アシネトバクターなど)による初期感染が考えられます1
- 治療失敗の場合は、P. aeruginosa、抗生物質耐性S. pneumoniaeおよび非発酵菌に対して良好なカバレッジを持つ抗生物質に変更し、微生物学的結果に応じて新しい抗生物質治療を調整することが推奨されます1
注意点と警告
- DTR-PA(難治性緑膿菌)は、セフタジジム、セフェピム、ピペラシリン/タゾバクタム、アズトレオナム、イミペネム/シラスタチン、メロペネム、レボフロキサシン、シプロフロキサシンのすべてに非感受性の分離株と定義されます1
- シプロフロキサシンはP. aeruginosaに対して活性を持ちますが、治療中に耐性が比較的急速に発達する可能性があります3
- 治療前および治療中に適切な培養と感受性試験を実施することが重要です3, 4
- 抗菌薬は微生物の耐性パターンに基づいて選択することが強く推奨されます1
緑膿菌感染症の治療では、感受性試験の結果に基づいて抗菌薬を選択し、患者の臨床状態に応じて投与経路を決定することが重要です。耐性緑膿菌に対しては、新しいβ-ラクタム/β-ラクタマーゼ阻害薬の組み合わせが最も信頼性の高い選択肢となっています1。