B群溶血性連鎖球菌(GBS)成人感染症における感染源の検索方法
成人のGBS感染症では、泌尿生殖器系、消化管、皮膚軟部組織を系統的に評価し、特に糖尿病や免疫不全などの基礎疾患を有する患者では遠隔感染巣(特に心内膜炎)の検索を必ず行うべきです。
感染源検索の優先順位
1. 血液培養と遠隔感染巣の評価
- 血液培養を必ず採取してください 1
- GBS成人感染症の33-50%に遠隔感染巣が存在します 2, 3, 4
- 心内膜炎が12-13%に合併するため、心エコー検査(経食道エコーを含む)を検討してください 2, 3
2. 泌尿生殖器系の評価
泌尿生殖器系は成人GBS感染の最も重要な感染源です:
- 尿培養を必ず実施してください
- 水腎症、尿路閉塞、最近の泌尿器科的処置(膀胱鏡検査など)の有無を確認してください 5
- 女性では:
- 男性では:
- 前立腺炎、精巣上体炎の評価を行ってください
- 泌尿器カテーテル留置の有無を確認してください 6
3. 消化管の評価
- 肛門管がGBSの保菌部位となることがあります 1
- 直腸スワブ培養を検討してください
- 消化管手術歴、炎症性腸疾患の有無を確認してください
4. 皮膚軟部組織の評価
蜂窩織炎や皮膚感染がある場合:
- 足趾間の亀裂や浸軟を必ず確認してください - 下肢蜂窩織炎の重要な感染源です 1
- 白癬感染の有無を評価してください 1
- 外傷歴、静脈注射痕の有無を確認してください 1
- 皮膚病変からの培養を検討してください(穿刺吸引培養の陽性率5-40%、パンチ生検培養の陽性率20-30%) 1
5. リンパ浮腫・リンパ排液障害の評価
以下の手術歴がある場合、リンパ排液障害がGBS感染のリスク因子となります 1:
- 大伏在静脈抜去術
- 乳癌に対する腋窩リンパ節郭清
- 婦人科悪性腫瘍に対するリンパ節郭清(特に放射線治療併用例)
基礎疾患の評価
以下の基礎疾患がある患者では、GBS感染のリスクが高まります:
特殊な臨床状況
髄膜炎を呈する場合
複数部位の感染を呈する場合
- 血行性播種を考慮してください 6
- 全身の感染巣を系統的に評価してください(関節、胸膜腔、心内膜など)