急性単回摂取の中毒量
成人(6歳以上)
小児(6歳未満)
反復性治療域超過摂取(Repeated Supratherapeutic Ingestion)
この状況は特に注意が必要で、以下の場合に中毒と判断されます1, 2:
成人(6歳以上)
- 24時間以内に10gまたは200mg/kg(いずれか少ない方)以上
- 48時間以上にわたり1日あたり6gまたは150mg/kg(いずれか少ない方)以上
小児(6歳未満)
- 24時間以内に200mg/kg以上
- 48時間にわたり1日あたり150mg/kg以上
- 72時間以上にわたり1日あたり100mg/kg以上2
リスク因子を持つ患者での注意点
以下の条件がある患者では、**より低い閾値(1日あたり4gまたは100mg/kg)**を中毒量として考慮すべきです1, 2:
- アルコール依存症
- イソニアジド使用
- 長期絶食状態
- 酵素誘導状態
これらの患者では、通常の治療域でも肝毒性のリスクが高まります。
重要な臨床的注意点
肝毒性の定義
ガイドラインでは以下のように定義されています1:
- 肝毒性: AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)の上昇
- 重度肝毒性: AST > 1,000 IU/L
- 肝不全: 肝性脳症を伴う肝毒性
時間経過と予後
摂取後8-10時間以内にNACを投与すれば、重度肝毒性の発生率は著しく低下します1。治療開始が10時間を超えると、肝毒性のリスクが大幅に増加します(8時間未満で2.9%、10時間以上で26.4%)1。
よくある落とし穴
- 反復性摂取の見落とし: 自殺企図ではなく治療上の誤用であることが多く1、約30%の入院患者がこのパターンです
- 徐放性製剤: 通常のノモグラムが使用できず、個別判断が必要です1
- 摂取量の過小評価: 患者の申告は信頼できないことがあります1
FDA警告
FDAラベルでは、24時間以内に6カプレット(通常4g相当)以上の摂取で重度の肝障害が起こる可能性があると警告しています3。
血中濃度測定は摂取後4時間以降に行い、Rumack-Matthewノモグラムで治療の必要性を判断します1。摂取時刻が不明な場合や24時間以上経過している場合は、ノモグラムは使用できません。