血液ガス分析に基づく薬学的介入
血液ガス分析結果に基づいて、酸素療法の適切な調整や呼吸促進薬の使用など、患者の呼吸状態を改善するための具体的な薬学的介入が可能です。
酸素療法の調整
- 血液ガス分析結果に基づいて、患者の状態に応じた適切な酸素投与量と投与方法を選択できる 1
- 低酸素血症(SpO₂<85%)の患者には、初期治療としてリザーバーマスクで15 L/分の酸素投与から開始する 2
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)など高炭酸ガス血症のリスクがある患者には、目標酸素飽和度を88-92%に設定し、24%または28%ベンチュリーマスクを使用する 1
- 高炭酸ガス血症のリスクがない患者には、目標酸素飽和度を94-98%に設定する 1, 2
血液ガス分析に基づく薬物療法の選択
- 呼吸性アシドーシス(pH<7.35、PCO₂>6.0kPa)を示す患者には、非侵襲的換気療法(NIV)の検討と共に、ドキサプラムなどの呼吸促進薬の使用を考慮する 1, 3
- ドキサプラムは急性高炭酸ガス血症を伴うCOPD患者に対して、2mg/mLの濃度で1-2mg/分から開始し、最大3mg/分まで増量可能 3
- ドキサプラム投与中は30分ごとに動脈血ガス分析を行い、CO₂貯留と酸血症の発生を監視する 3
酸素療法のモニタリングと調整
- 酸素療法開始後は、酸素飽和度、呼吸数、心拍数、血圧、精神状態を少なくとも1日2回モニタリングする 2
- 呼吸数が30回/分を超える患者では、ベンチュリーマスクの流量を最大50%まで増加させる 1
- 酸素投与量を変更した場合は、1時間後(または意識レベルが悪化した場合はそれより早く)に血液ガス分析を再検査する 1
特定の疾患に対する介入
- 嚢胞性線維症の急性増悪では、COPDと同様に目標酸素飽和度88-92%を設定し、地域のCF専門センターのプロトコルに従って管理する 1
- パラコートやブレオマイシンによる中毒の場合、酸素飽和度が85%を下回った場合のみ酸素を投与し、88%を超えた場合は減量または中止する 1
- 神経筋疾患や胸壁変形を持つ患者では、NIVや人工呼吸器サポートが必要になる可能性があるため、早期に血液ガス分析を行う 1
血液ガス分析の解釈と介入のピットフォール
- パルスオキシメトリーが正常でも、pH異常やPCO₂異常、または貧血による低酸素含有量がある場合があるため、臨床状態に応じて血液ガス分析が必要 1, 4
- 過剰な酸素投与はCOPD患者の呼吸性アシドーシスのリスクを増加させるため、PaO₂が10.0kPaを超えないよう注意する 1
- 急激な酸素療法の中止は、生命を脅かすリバウンド低酸素血症を引き起こす可能性があるため、段階的に減量する 1
- 動脈血ガス分析では、pH、PaCO₂、PaO₂、HCO₃⁻、塩基過剰/欠乏の測定値を系統的に解釈することが重要 5, 6, 7
薬剤師による介入のアルゴリズム
- 血液ガス分析結果の評価(pH、PaCO₂、PaO₂、HCO₃⁻)6, 8
- 酸塩基平衡異常のタイプ判定(呼吸性/代謝性、アシドーシス/アルカローシス)7
- 患者の基礎疾患に基づくリスク評価(COPD、嚢胞性線維症、神経筋疾患など)1
- 適切な酸素療法の選択と目標酸素飽和度の設定1, 2
- 必要に応じた薬物療法の提案(呼吸促進薬、気管支拡張薬など)3
- 定期的なモニタリングと治療調整のスケジュール設定1, 2
血液ガス分析の結果を正確に解釈し、それに基づいた薬学的介入を行うことで、患者の呼吸状態の改善と予後の向上に貢献できます。