SIADHの治療法
SIADHの治療は症状の重症度に基づいて決定され、重症症状(痙攣、昏睡、意識変容)がある場合は高張食塩水による緊急治療を行い、軽症または無症状の場合は水分制限が治療の基本となります。 11
重症症状がある場合の治療
重症症状(痙攣、昏睡、意識変容)またはくも膜下出血患者の場合:
- ICUでの管理が必要
- 3%高張食塩水を使用
- 6時間で6 mEq/Lの補正、または重症症状が改善するまで
- 24時間で8 mEq/Lを超えて補正しないこと(浸透圧性脱髄症候群のリスク)
- ナトリウム欠乏量の計算式:希望するNa増加量 (mEq) × (0.5 × 理想体重)
- 2時間ごとのナトリウム測定
- フルドロコルチゾンを7日間併用することもある 11
重要な注意点
慢性低ナトリウム血症は急速に補正してはいけません。 急速補正(1 mmol/L/時以上)は重症症状のある急性低ナトリウム血症(48時間以内)にのみ使用すべきです。11
軽症症状または無症症状の場合の治療
軽症症状(悪心・嘔吐、頭痛、筋肉痛)またはNa < 120 mEq/Lの場合:
二次治療オプション
水分制限が効果不十分な場合(約半数の患者で発生)2:
利尿薬とナトリウム補充
- フロセミドまたはエタクリン酸
- ナトリウム補充が11例中9例で必要
- 低カリウム血症の治療が7例で必要 1
尿素
- 40 gの尿素を100-150 mLの生理食塩水に溶解し、8時間ごとに投与
- 生理食塩水の持続点滴(60-100 mL/時)を1-2日間併用
- 72時間以内に低ナトリウム血症が改善 1
新しい治療選択肢
最近の研究では以下の有効性が示されています:
- SGLT2阻害薬(エンパグリフロジン):浸透圧利尿を誘導し、血清ナトリウムを効果的に上昇させる 3
- バプタン類(トルバプタン):V2受容体拮抗薬として水利尿を促進。高張食塩水と同等の補正速度(3.0 [6.0] mEq/L/日)4