2025年高血圧ガイドラインの主要改訂ポイント
2025年高血圧ガイドラインの最も重要な改訂点は、血圧の新しい分類システムと、より低い目標血圧値の設定、そして初期治療としての併用療法の推奨です。 1
新しい血圧分類システム
- 非高血圧(120/70 mmHg未満):薬物治療は推奨されない 1
- 高血圧前症(120-139/70-89 mmHg):心血管疾患リスクとフォローアップ血圧レベルに基づいて薬物治療が推奨される 1
- 高血圧(140/90 mmHg以上):ほとんどの患者で迅速な確認と薬物治療が推奨される 1
治療目標値の変更
- 初期のデフォルト収縮期血圧目標値は120-129 mmHgに設定(忍容性があれば)1
- 特に120 mmHgが目標範囲内の最適ポイントとされている 1
- 治療忍容性が低い場合は「合理的に達成可能な限り低く」(ALARA原則)を目指す 1
- 85歳以上の高齢者、症候性起立性低血圧、中等度から重度の虚弱状態の患者には緩和された目標(<140/90 mmHg)が考慮される 1
薬物療法の推奨
- 確認された高血圧(≥140/90 mmHg)のほとんどの患者に対して、初期治療として併用療法が推奨される 1
- 推奨される組み合わせは、RAS阻害薬(ACE阻害薬またはARB)とジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬または利尿薬 1
- 85歳以上、症候性起立性低血圧、中等度から重度の虚弱状態の患者、または治療適応のある高血圧前症(収縮期血圧120-139 mmHgまたは拡張期血圧70-89 mmHg)の患者には例外が考慮される 1
- 単剤配合錠(シングルピル)による治療が推奨される 1
リスク評価と治療開始基準
- 高血圧前症(130-139/80-89 mmHg)でも、心血管疾患リスクが高い場合(10年リスク≥10%)は、3ヶ月のライフスタイル介入後に薬物治療が推奨される 1
- SCORE2(40-69歳)およびSCORE2-OP(70歳以上)が10年間の心血管疾患リスク評価に推奨される 1
生活習慣の改善
- すべての高血圧および高血圧前症の患者に非薬物療法が推奨される 1
- 1日約2gのナトリウム制限(約5gの食塩に相当)1
- 週150分以上の中等度有酸素運動と週2-3回の低〜中等度の動的または等尺性レジスタンストレーニング 1
- 健康的なBMI(20-25 kg/m²)と腹囲(男性<94 cm、女性<80 cm)を目指す 1
- 地中海食やDASH食などの健康的でバランスの取れた食事 1
- アルコール摂取量を週100g未満に制限(理想的には禁酒)1
特別な患者集団への配慮
- 40歳未満で高血圧と診断された成人には、二次性高血圧の主な原因についての包括的なスクリーニングが推奨される 1
- 妊娠中の女性では、収縮期血圧≥140 mmHgまたは拡張期血圧≥90 mmHgで薬物治療を開始し、拡張期血圧が80 mmHg未満にならないように注意する 1
注意点と落とし穴
- 血圧測定の正確性が診断と管理に不可欠 - 可能であれば自宅血圧測定(HBPM)または24時間自由行動下血圧測定(ABPM)を使用する 1
- 薬物の時間的投与(朝か夜か)は心血管疾患転帰に影響しないため、服薬コンプライアンスを向上させるために患者にとって最も便利な時間に服用することが重要 1
- 2つのRAS阻害薬(ACE阻害薬とARB)の併用は推奨されない 1
- 腎機能障害のある患者(eGFR <40 mL/min/1.73 m²)または二次性高血圧の患者に対する腎除神経術は、さらなるエビデンスが得られるまで推奨されない 1
これらの改訂は、より低い血圧目標値と早期からの積極的な治療アプローチにより、心血管疾患リスクの低減を目指しています。