カルバペネム耐性緑膿菌に対する内服抗菌薬治療選択肢
カルバペネム耐性緑膿菌(CRPA)に対する最も有効な内服抗菌薬はシプロフロキサシンです。
緑膿菌感染症の内服治療オプション
- シプロフロキサシンは、緑膿菌に対する抗菌活性を持つ数少ない内服薬であり、カルバペネム耐性緑膿菌(CRPA)を含む緑膿菌感染症の第一選択薬です 1
- 特に緑膿菌のリスク因子を持つ中等度または重度のCOPD患者において、経口治療が可能な場合はシプロフロキサシンが推奨されています 1
- 他の抗菌薬に感受性を示すCRPAに対しては、感受性結果に基づいてフルオロキノロン(レボフロキサシン750mg 1日1回など)も選択肢となります 1
治療アルゴリズム
1. 感受性試験に基づく選択
- 抗菌薬感受性試験(AST)は必ず実施し、結果に基づいて治療を選択します 1
- CRPAが他の抗菌薬に感受性を示す場合:
2. 難治性(DTR-PA)緑膿菌の場合
- 経口治療のみでは不十分で、注射薬との併用または注射薬のみの使用が必要になることが多い 1
- 新規薬剤(セフトロザン/タゾバクタム、セフタジジム/アビバクタム、イミペネム/シラスタチン/レレバクタム)は注射薬のみで、経口剤はありません 1
特別な考慮事項
- カルバペネム耐性緑膿菌の主要な耐性メカニズムはOprDタンパク質の欠損であり、これによりイミペネムなどのカルバペネム系薬に対する基本的な耐性が生じます 2
- 緑膿菌は多剤耐性を獲得しやすく、治療選択肢が限られるため、感受性結果に基づいた適切な抗菌薬選択が重要です 3
- 重症感染症(菌血症、肺炎など)では、経口治療のみでは不十分で、初期は静注治療が必要となることが多いです 1
注意点と落とし穴
- フルオロキノロン、特にシプロフロキサシンは緑膿菌に対して効果的ですが、広範囲な使用により耐性が急速に発達する可能性があります 4
- 多剤耐性緑膿菌(カルバペネム、アミノグリコシド、ポリミキシン、チゲサイクリンに共耐性を示す株)に対する経口治療選択肢は非常に限られており、多くの場合静注治療が必要です 5
- 感染部位、重症度、患者の基礎疾患に応じて治療期間を調整する必要があります(一般的に尿路感染症では5〜10日、肺炎や菌血症では10〜14日)1
経口治療が可能な場合はシプロフロキサシンが第一選択ですが、重症例では静注治療を開始し、臨床的に安定したら経口治療への切り替えを検討します 1。